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  • PDT(フォトダイナミックセラピー)

PDT(フォトダイナミックセラピー)とは

PDTとは?

「Photo Dynamic Therapy」
(フォトダイナミックセラピー)の略です。
訳すと「光線力学療法」です。

光に対して反応する物質と、光線を組み合わせて行う治療法です。
特殊な光に対して反応する薬(アミノレブリン酸)を内服、皮脂腺に選択的にとり込まれ、ポルフィリンという物質に代謝変換されます。そこに特殊な光線をを当てることにより光科学反応が起き、活性酸素が大量発生し、アクネ菌やその他のニキビ菌の殺菌、皮脂腺の細胞の破壊を引き起こします。
分泌機能が抑制され、一時的に皮脂が激減する時期を作り、その間にニキビ菌を徹底的に殺菌します。
これにより、皮脂腺に溜まっていた皮脂の油分が一斉に噴出し、一時的にニキビが増えることがあります(好転反応と呼ばれます)が、徐々に収まります。

アミノレブリン酸とは?

アミノレブリン酸(ALA)はもともと人間の体内に存在しているアミノ酸の一種です。血液中のヘモグロビンやビタミンB12を生成します。

PDT療法には、内服法(ALAを飲んで行う方法)と、外用法(ALAを軟膏に混ぜて肌に塗って行う方法)があります。

当院では治療効果が圧倒的に高く、且つ正常な肌に優しい内服法で行っています。

外用法では、肌表面の反応が強く出る為、正常な皮膚へのダメージが大きくなりやすいので、強い治療ができません。ニキビの原因がある深部組織への効果が弱くなり、それを回避しようとすれば、肌表面が強い日焼けのようになったりしてしまいます。

それに対し内服法は、肌表面の強い反応が出にくく、本来必要な深部組織への効果が発揮されます。内服法は外用法に比べてニキビの除去力が圧倒的に高いというわけです。
ただし、照射熱量、照射方法、治療間隔などを適切に見極める必要があります。

こんな方に

  • 1.一般の皮膚科治療で改善のない方
  • 2.中程度から重症の方
  • 3.胸や背中・お尻のニキビでお悩みの方
  • 4.アダルトニキビの方
  • 5.皮脂が多くて油取り紙が必需品の方

重症ニキビの3つの原因を取り除く独自の先端治療

重症ニキビの原因である「皮脂の過剰分泌」「最近の増殖と残存」「毛穴(立体構造)の崩れ」に対し、活性酸素の働きと自然治癒力の向上によりニキビを根本から改善します。

  • step01 step01
  • step01 step01
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PDT治療の流れ

  • (1) 予約

    予約

    初診時は診察やカウンセリングに時間を要しますので予約制となっています。

  • (2) 来院、受付

    来院、受付
  • (3) 問診表の記入

    問診表の記入

    ニキビの状態を診察後、PDTの仕組みや安全性、費用などについてお話します。

  • (4) 診察・カウンセリング

    診察・カウンセリング
  • (5) アミノレブリン酸(ALA)を内服

    アミノレブリン酸(ALA)を内服

    アミノレブリン酸ALAはサラサラの白い顆粒です。カプセルにしたものを内服して頂きます。

  • (6) 外出

    外出

    アミノレブリン酸が皮脂腺に取り込まれるまで3時間30分まちます。2時間30分は外出が可能です。

  • (7) 待合室で待機

    待合室で待機

    照射前の1時間は太陽光をさけるために院内待合室で待機して頂きます。

  • (8) 洗顔

    洗顔

    PDT照射前は必ず洗顔をして頂きます。ファンデーションなどで光を妨げず、効果的な照射を行うため(ローションやクリーム類も同様)です。

  • (9) 照射

    照射

    まぶしさを軽減させるためゴーグルを着用して頂きます。

  • (10) クーリング

    クーリング

    照射部位をクーリングさせて頂きます。

  • (11) スキンケア

    スキンケア

    スキンケア後、お帰りの際のメイクはいつも通りして頂けます。

  • (12) 終了・帰宅

    終了・帰宅

注意事項とアフターケア

照射後は軽度赤味やほてり感がみられます。クーリングをさせて頂きますが、ご帰宅後に冷やして頂くと更に軽減致します。治療後、反応性のニキビが出来ることがありますが、治療効果としては正常な反応です。

治療の費用

顔全体 1回 ¥48,000
3週間以内 ¥28,800
1回 ¥24,000
3週間以内 ¥14,400
背中上部 1回 ¥48,000
3週間以内 ¥28,800

全て税抜き価格となります。その他の部位別料金、背中や胸などの身体の治療の料金設定もあります。

PDT療法についてもっと詳しく

  • 1.フォトダイナミックセラピー:PDT:光線力学療法って何?

    フォトダイナミックセラピー(PDT)は、皮脂の分泌を選択的に抑制する治療法です。

    現在皮脂分泌を抑制する薬として、イソトレチノインというビタミンAの誘導体があります。しかしこの薬はその使用によって奇形児が生まれる可能性があるため、日本では利用できません。従って効果的に皮脂の分泌を抑制する方法がこれまであまりありませんでした。

    防衛医科大学校の倫理委員会の承認下で、ニキビ、脂性肌に悩む25人の患者さんが防衛医科大学校皮膚科でこの治療を受け、いずれもニキビの改善と、十分な皮脂分泌抑制効果が得られました。入院を必要とした重症のニキビも1ヶ月半できれいになり、その後半年以上新しいニキビの発生を抑制しました。これらの患者さんの全ては、一般皮膚科保険治療で改善がみられなかった方、また数人は、ケミカルピーリングやビタミンC療法などにも顕著な効果があらわれなかった方です。

    この治療の対象は、ニキビ、吹き出物、脂性肌、Tゾーンや鼻のテカリです。自己処理のできない背部のニキビにも極めて有用です。

  • 2.具体的治療法とメカニズム

    【写真1】皮脂腺にのみ、オレンジ色の蛍光を発色するポルフィリンが蓄積されている

    原則として1ヶ月のアイオニックハイドレーション後にPDTを行います。これは多少なりとも皮膚の負担になる治療であるため、PDTをおこなう前に皮膚を強く、再成力治癒力を高めておくことを目的としています。強いケミカルピーリングをする場合レチノイン酸などの前処置をおこなう場合と同じです。

    デルタアミノレヴリン酸(ALA)という、血液のヘモグロビンのもとになる物質が私たちの体の中にあります。このALAは、水溶性でビタミンCのような酸味のある粉状物質です。水やオレンジジュースといっしょに飲んで頂きます。内服後のALAは皮脂腺に強い親和性をもつため。選択的に皮脂腺に取り込まれポルフィリンという物質を作り始めます。

    【写真2】光照射後2日目、皮脂腺が壊れている

    さらに赤く炎症をおこしたニキビの主因菌であるアクネ菌(P.acnes)が、ALAをとり込み、ポルフィリンを貯えますので、このポルフィリンも光線に反応する事になります。従って、PDTはニキビに対して皮脂腺の破壊と、アクネ菌の駆除との二重の作用をおこします。照射中ジリジリした感じがあります。照射後徐々に皮膚に赤みが現れ、腫れる事もあります。

    また、翌々日以降新しいニキビが出現する事があります。これは、脂腺細胞が障害され、それまで蓄積されていた皮脂が一度期に排出されるためです。このニキビは反応性のものなので1週間程度で消失します。

    なお当クリニックでは、大学における臨床研究で利用した照射量よりも少ない光エネルギーを利用していますので、2回以上の照射をする事をお勧めします。

  • 3.ニキビのタイプと皮脂の過剰分泌の関係

    思春期ニキビ:ホルモンによる皮脂の過剰分泌が原因です。

    大人(男)のニキビ:皮脂の分泌は20才代前半にピークがあります。男性の大人のニキビは、思春期ニキビがそのまま継続している事が多いようです。

    大人(女)のニキビ:思春期に出なくて、20才過ぎてからニキビに悩む方がいます。このタイプはストレスや生活習慣に原因があるといわれていますが、男性ホルモンが多い傾向があるとも報告されています。また生理前2週間からニキビが悪化する方も多いのですが、これは男性ホルモンと似た働きをする黄体ホルモンの分泌に原因があります。男性ホルモンと黄体ホルモンは共に皮脂腺に働き皮脂の分泌を高めます。

    胸や背中のニキビ:皮脂腺の多い部位として、顔のTゾーンと並び称されるのが、胸と背中のVゾーンです。特に背中のニキビは自己処理ができないので、一度の照射でニキビの新生を抑制できるフォトダイナミックセラピー(PDT)は、有効です。

    脂性肌、テカリ:基本的に皮脂の過剰分泌です。Tゾーンや、鼻、または顔全体が赤みを帯びています。中にはニキビがそれほどできない方がいますが、これは皮脂を皮表に送り出す毛包管、特に漏斗部の角質のつまりがないためです。そのかわり、毛穴が開いている傾向が強く、きめの粗い皮膚になっています。

  • 4.乾燥肌のニキビにも効くの?

    乾燥肌の対策は、油分を与えることではなく、水分補給と保湿が重要です。

    乾燥肌のニキビや大人のニキビは、基本的には皮脂分泌抑制でもよくなりますが、角化異常も大きくその原因に関わっています。ですからフォトダイナミックセラピー(PDT)治療後のニキビの沈静期間中に、角質や表皮の細胞を整え、正しい皮膚代謝を獲得する処置を合わせておこなうことも重要です。

  • 5.フォトダイナミックセラピー(PDT)の安全性・副作用・合併症

    デルタアミノレヴリン酸(ALA)は、赤血球のヘモグロビンや、筋肉中のミオグロビン、あるいは種々の細胞中の電子伝達系で働くチトクロームと呼ばれる物質のもとになるヘムを作り出す大事な体内物質です。ですからアレルギーや抗原抗体反応を起こす心配は無く、大量の投与がなされない限り、毒性もありません。また、代謝が早く体が必要としない分は24時間以内に尿中に排泄されますので体への蓄積がありません。既にこの物質の内服・外用や、引き続く光照射の臨床利用は、欧米はもとより、本邦でも脳外科領域でなされています(内服するALAの量は本邦の脳外科領域で使う量の半分になります)。

    照射する光はレーザー光ではありません。630nmと670nmの波長を含む赤色領域のやわらかい可視光線なので、紫外線のような皮膚に障害をおこす光ではありません。

    肝臓、腎臓の機能の悪い方、光線過敏の方、一部のアトピー性皮膚炎の方はこの治療は不適です。

    ALAは酸性なのでムネヤケをおこしたり、また吐き気をおこすことがありますが、一時的なもので、翌日には消失します。

    照射中はむずむずかゆみがあったり、にジリジリした熱い感じをうけることがあります。

    照射後は皮膚に赤みがあらわれる方と、現れない方がいます。赤みがあっても翌日にはほとんど焼失するかたと、3,4日続き腫れるかたもおられます。また、照射した翌々日以降、それまで皮膚内に蓄積されていた脂分が排出されますので、いつも以上に脂っぽい状態になります。この時毛穴の目詰まりがあるとニキビになります(これを反応性のニキビと呼んでいます)が、たいていの場合PDTの一週間後には、鎮静化します。これは好転反応とお考えください。これらの反応は照射前のニキビの状態が重傷であればあるほど強くなります。

  • 6.フォトダイナミックセラピーに関する論文 (1)

    ニキビのPDTに関する論文は全て英文であるため、日本語で書かれたものをここでは掲載します。なお、ニキビに関するものは、この論文で引用しているものを参照していただければ幸いです。

    皮膚病診療22巻p1185-1190 2000年
    Photodynamic therapy -皮膚疾患への応用-

    はじめに

    Photodynamic therapy(PDT、光線力学療法)は単独では細胞毒性をもたない特定組織親和性光感受性物質と、その励起光の組み合わせで、酸素の供給下において光化学反応を惹起させることで、選択的に組織を障害させる治療法である。疼痛が少なく選択性を有するこの治療法は、もともと癌をターゲットとしたものであったが、最近は非悪性疾患にも利用されるようになってきた。本稿では、本邦皮膚科でまだなじみの少ないこの治療法、また腫瘍選択性を利用したphotodynamic diagnosis(PDD、光線力学診断)の概要を紹介する。なお紙面の都合上本稿は図表を排したが、それぞれの臨床例は引用文献を参照していただきたい。

    [1]Photodynamic therapy(PDT)の歴史と現状

    この治療法の歴史は古く、1900年Raab1)がアクリジン色素と光の併用により、ゾウリムシに致死的効果を見出し、1903年Tappeinerら2)は、エオジン色素と太陽光およびランプ光で、腫瘍を壊死させたと報告している。1924年Policard 3)がポルフィリンと腫瘍の親和性を発見したが、それ以来、現在に至るまでPDTで利用する光感受性物質のほとんどに、ポルフィリン誘導体あるいはその前駆物質が使われている。

    1960年にMayo clinicのLipsonら4)が、塩酸ヘマトポルフィリンを酢酸と硫酸で処理し、腫瘍親和性の高いヘマトポルフィリン誘導体(HpD)を開発した。さらに1979年、Roswell Park Memorial InstituteのDoughertyら5)が、進行期乳癌の皮膚転位巣や皮膚有棘細胞癌に対し、経静脈的にHpDを投与し、アルゴン・ダイ・レーザーを照射した臨床成功例を報告した。本邦でも1980年、Hayataら6)が内視鏡的に早期肺癌を、1981年Katoら7)や、三村ら8)が、早期胃癌、早期食道癌を、1982年Somaら9)が、子宮頚癌と腟癌を、1983年Tuchiyaら10)が早期膀胱癌をHpDを利用して根治させている。さらに、光感受性物質を投与した後、励起光で、組織を蛍光発色させることで、腫瘍の局在を診断する方法もおこなわれるようになってきた11)。

    こうした体内管腔臓器および実質臓器のPDT治療法および診断法が世界的に進歩していくなかで、本邦においてはフォトフリン(ポルフィマーナトリウム、日本レダリー)とエキシマ・ダイ・レーザー(PDT EDL-1、浜松ホトニクス)が1994年に厚生省の認可を受け、またその後フォトフリンⅡも発売され、1996年には保険採用になり、現在、早期肺癌、早期胃癌、早期食道癌、早期子宮癌が適応になっている。また腫瘍以外にも、動脈硬化の治療として、眼科領域では加齢黄斑変性症、さらにMRSAを含む感染症、進行癌への適応拡大などが検討されている。

    皮膚科領域においてもフォトフリンをはじめとするポルフィリン環を利用した光感受性物質によるPDTの臨床例の報告が散見される。しかしほとんどの光感受性物質は体内へ投与後、数週から1ヵ月間光感受性を持続させてしまう欠点があるため、皮膚疾患への適応に難しい面があった12)。

    現在のPDT研究の大きなテーマの一つに、より優れた光感受性物質の開発がある。光感受性物質はエオジン、メチレンブルーなどの色素も含めると膨大な種類が存在するといってよい。このうち腫瘍などの特定組織に選択的親和性を有し、毒性が少なく、発癌性のないものとすると、ポルフィリンおよびクロリン(ポルフィリン環の1ヵ所が二重結合でないもの)に限られている。現在本邦では、クロリンの誘導体であるNPe6 13)(mono-L-aspartyl chlorin e6)や、ATX-S10 (Na)14)(gallium-porphyrin complex)の臨床治験がおこなわれ、あるいは始まろうとしている。これらの光感受性物質の吸収波長のpeakは670nm前後にあるため、ヘモグロビンの光吸収との競合が少なくなるので出血した病変部に対しより効果的になる。しかしながら体内投与後のwash out時間が数週間なので、治療後の遮光生活はより短くなったものの、依然皮膚科では使いずらいものである。

    一方、励起光源は、初期にはarc lampや水銀灯などが利用されたが、1970年代後半からアルゴン・ダイ・レーザーが開発され、励起波長を選択して、高いエネルギーを与えることができるようになった。現在でも欧米ではアルゴン・ダイ・レーザーが主流であるが、1983年曾沢ら15)は従来の持続波であるアルゴン・ダイ・レーザーよりもパルス波としたレーザーのほうがピーク出力が高いことから組織透過性が上がることを報告した。本邦では、これにより、XeClエキシマレーザーが発生する波長308nmの紫外線をローダミン640色素溶液に照射して得られる波長630nmの色素レーザーであるパルス波エキシマ・ダイ・レーザーが開発された。引き続き、QスイッチパルスYAGレーザー励起の光パラメトリック発振器(OPO)を組み込んだ波長可変YAG-OPOレーザー(IHI)が市販されている。また最近はより小型で安価な半導体レーザー(松下電器)が開発されまもなく市場に現れる予定である。

    1990年Kennedyら16)が、δ-アミノレヴリン酸(ALA)の投与後、腫瘍内に選択的にプロトポルフィリン?( Pp?)が生じ、励起光により腫瘍が障害されることを報告した。過剰なALAやPp?は化学合成されたものではなく内在物質であり、24時間以内に代謝され、腎排泄されるので、長期間の遮光生活が必要なく、また内服による全身投与に加え、外用による局所投与が可能となる施術である17)。そのため皮膚科領域では、最も有用なPDT手法として、認知されつつあり、2000年春米国FDAにおいてALA-PDTは日光角化症の治療法として認可されるに至った。

  • 7.フォトダイナミックセラピーに関する論文 (2)

    [2]δ-アミノレヴリン酸を利用したphotodynamic therapy(ALA-PDT)

    δ(デルタ)-アミノレヴリン酸(ALA)は分子量131のテトラピロールを構成するデルタ型アミノ酸で、水溶性が高く、アルコールに微溶、有機溶剤には難溶、酸性条件下で安定しアルカリ条件下で分解する体内に内在する物質である。
    医療分野での利用以前から植物・農業分野において、除草剤・殺虫剤、植物の光合成増強、耐寒性・耐塩性・収穫の向上目的に、また微生物・発酵分野で、ビタミンB12生産、微生物培養、殺菌、ヘム酵素・ポルフィリン生産に利用されている18)。また医療分野でも、PDT用薬剤以外で、ポルフィリン症診断19)に使われ、また育毛20)(著者らのマウスでの検討では、コントロールのクロトンオイルより、育毛効果はかなり劣っていた)が試みられている。   ALAはそれ自体には光感受性はないが、ヘム生合成経路におけるポルフィリンの前駆物質である。生理的にはヘムの存在がネガティブフィードバックとなってALAの合成を阻害するが、過剰な外因性のALAが与えられると、このフィードバックがきかなくなり、律速酵素であるフェロキラターゼが枯渇し、内因性のポルフィリン特にプロトポルフィリン?( Pp?)が細胞内に蓄積される。 Pp?は紫外線領域で蛍光発色する。Black light下で、病変部はALAが投与されて1時間後に赤色の蛍光を発し始め、4から6時間後にそのpeakを迎え、その後減衰する。Pp?は光を吸収すると励起し、三重項酸素状態を通じて基底状態に復帰する時、細胞内で一重項酸素およびOHラジカルが産生され、これら活性酸素が細胞に障害を与える。Pp?の励起波長は410nmに最大のpeakがあり、他に510nm、545nm、580nm、630nmにもpeakがある。治療光の波長は、深さ1mmまでの組織なら、410nmの光を、それ以上の深さに対しては630nmの光を利用するのを一般に有用としている21)。

    一方、Pp?は励起するとクロリンタイプのポルフィリンであるフォトプロトポルフィリンなどの二次産物を産生する経路がある。これら主な二次産物の励起波長は670nmにpeakがある。従って一時期、630nmと670nmの二峰性のレーザー光を利用する試みがあったが、その後ALA-PDTにおいて、二次産物のポルフィリンを励起させることが、治療効果を向上させるには大きな役割をはたさないという意見が支配的となった21)。ところが最近になって、治療光に670nmを含める方が、治療効果が上がるという意見が再度現れてきた。実際、著者らの日光角化症の治療において、630nmのエキシマ・ダイ・レーザーよりも600nmから700nmまでの赤色域可視光線を利用したほうが顕著な腫瘍消退が得られた経験を得ている22)。このため、ALA-PDTにおける励起光源は630nmのレーザー光を利用した報告が多いものの、可視光線の報告もまた多い。治療効果の面もさることながら、可視光線の光源のほうがレーザー光より安価であり、範囲の広い病巣を治療する時に有利であるのはいうまでもない。ALA-PDTで利用できる光源としては前述のレーザー装置に加え、可視光光源のランプの開発が進んでいる。著者らは、エキシマ・ダイ・レーザーに加え、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプの使用経験があるが、600から700nmまでの光エネルギー効率とランプ寿命およびランプハウスの小ささ(装置の小型化のつながる)では、メタルハライドランプが、低コストの面ではハロゲンランプが優れているといえる。一方、メタルハライドランプは調合する金属の種類・量が極めてデリケートであり、ランプのロットごとの安定性に差が生じやすく、光放出を開始してからエネルギーが安定するまで時間がかかる。ちなみに米国FDAで認可された

    ALA-PDT用の光源は410nmを中心としたハロゲンランプである。これはその主とする波長の短さから日光角化症という極めて表層の病巣をターゲットとした光源であるといえる。従って日光角化症以外の深在する可能性のある悪性疾患に対し利用するのは危険かもしれない。複数の波長を持つ可視光線はその器材が低価格であるゆえ対象疾患ごとに最も有利なものを提供することが可能かもしれない。現在、高価なレーザー機器においても、子宮頚管用のPDT用のエキシマ・ダイ・レーザーが開発されている。皮膚科領域のALA-PDTの研究が今後も進み、個々の疾患に安価な機種で対応できることが望ましいと考える。

    ALA-PDTにおける細胞死のメカニズムは、不明な点が多い。光励起されたPp?の一重項状態の寿命は10-7から10-9秒と極めて短いため、継時的変化を追うことは不可能であるが、電顕的にALA-PDT施術後早期の細胞内の障害部位は、ミトコンドリアおよびその辺縁に観察される17)。この障害が一定時間を要して細胞全体の機能障害となり、核に波及し細胞死につながることが、ALA-PDTがアポトーシス様細胞死をおこすものと言われる所以である21)。例えば、正常皮膚で、外用によるALA-PDTをおこなうと、3日間発赤腫脹を生じ、4日目に痂皮形成が観察できる。ALA-PDTは紫外線照射におけるピリミジンダイマー生成や、ソラレンにおけるDNAへの直接反応とは全く異なるものである。そして細胞核への直接関与をしないPDT施術が将来癌化を引き起こす可能性は極めて少ないと予想されている21)。一方で、ALA-PDTにおいても励起光を赤色光ではなく青色光を利用すると、比較的急激な細胞死が観察される。そしてこれは光エネルギー量に依存したものではない。この理由として、励起時に出現する活性酸素種の違いによることが示唆されている(in vitroでは、赤色光照射時では青色光照射時の10倍以上のOHラジカルが産生されている)。
    他の薬剤のPDTと比較した時、ALA-PDTの利点は、①投与後24時間以内に代謝されるため、事実上光毒性が問題にならない②体内に存在する物質であるので毒性がない③経皮的局所投与、静脈投与および経口投与が可能④腫瘍の選択性がよい、である。欠点は、①アルカリ状況で分解する②誘導されるPp?の光感受性がやや弱いことである。

  • 8.フォトダイナミックセラピーに関する論文 (3)

    [3]皮膚腫瘍への応用

    1990年のKennedyら16)の報告以来、ALA-PDTの主なターゲットは、日光角化症、基底細胞癌、ボーエン病などの表在性上皮性皮膚悪性腫瘍である。親水軟膏に溶かして20%ALAとしたものを病巣に塗布し、4時間後励起光を照射するのが一般的手法である。既に欧米では膨大な症例数の報告があるが、おおむね1ないし2度の施術で、80%から90%の奏効率である21)。また、励起光源は、アルゴン・ダイ・レーザーや、ハロゲン・キセノンランプが多い。
    著者らの経験22)23)でも同等の成績であったが、欧米の報告例との大きな違いは、その施術回数が3ないし6度と多くなることである。Bernsteinら24)は、メラニンが組織内のポルフィリンと励起光を競合するため、有色人種はこの治療に不利であることを示唆しているが、これを証した結果だといえる。またメラニンを有する腫瘍には、ALA-PDTは効果がないとされている24)25)。一方、体内管腔臓器の早期癌では、PDTとNd-YAGレーザーによる腫瘍焼灼術との併用が、それぞれの単独治療より生存率を上げているので26)、我々は、Warloeら21)のあらかじめ腫瘍を電気焼灼する手法にならい、色素性基底細胞癌を治療したが23)比較的満足する結果を得ている。

    早期上皮性腫瘍に対するALA-PDTの成績は決して悪いものではないが、より効果を上げる工夫・試みが報告されている21)。皮膚科領域におけるALA-PDTのオーソドックスな施術は外用塗布によるものである。しかしALAが水溶性であることから、経皮吸収の面で不利となるのでエステル化させて脂溶性を増す試みは有用であるかもしれない。おもしろいことに、in vitroではエステルの炭素数の多いALA誘導体が、高いPp?の細胞内蓄積を生み出すが、in vivoでは炭素数の少ないものが優れている。すでにPengら21)がALA-methyl esterの臨床例を報告しているが、メチルエステルは体内にとりこまれた後、加水分解により、毒性と蓄積性を有するギ酸を産生する。一方、著者らの検討では、in vitroではPengらの報告と同等であるが、in vivoではALA-methyl esterとALA-ethyl esterは同じ成績であった。このことは、加水分解されても安全な酢酸を生じるALA-ethyl esterの方が、有用性が高いことを示唆している。一方、ALA-PDTをより深在性の腫瘍に適応するには、ALAの局所注射27)や、内服投与28)が有効であるかもしれない。しかし著者らの経験29)では局所注射は、ALAの酸性度が強いため患者に強い疼痛を与えるのが欠点である。ALAの内服投与は、ドイツを中心に脳外科領域で多数試みられている。本邦でも金子ら30)のグループにより、既に200例以上の臨床経験がある。

    ALA-PDTは放射線治療のように術前におこなわれることでその後の手術における創傷治癒の悪化が危惧されることがないので、もし効果が不十分であっても引き続きおこなわれる手術治療になんら不利益はない29)。また大きな病変部にALA-PDTをおこなった場合、腫瘍はその施行ごとに、周辺部から縮小をみせる。このことは進行癌の手術前の、補助治療として有用であるかもしれない。ポルフィリンあるいはクロリン環の光感受性物質を使うPDTは、欧米では手術不能の進行癌に多く適応されているが、本邦でも早期癌に加え進行癌への保険適応をとる動きがある。ALA-PDTにも同様のことがいえるし、実際著者らは手術不能のPaget癌で有用であった経験をもつ31)。

    上皮性腫瘍に対するALAの利用は治療のみならず診断法としても模索されている。ALAの腫瘍親和性とPp?の蛍光発色を利用して、無色素性あるいは再発性基底細胞癌の浸潤範囲を診断する報告がある32)。著者らの8例の経験では、非常に正確に浸潤範囲を現したもの33)もあるが、不正確なものも経験している。正確度は、腫瘍細胞の浸潤する深さに依存していると思われた。さらに上皮性腫瘍のリンパ節転移の有無を診断する試みもおこなっているが34)、リンパ節に結合織が付着していると蛍光を検出しずらくなるのが難点である。従って、en blockにリンパ節廓清を終えた後、各個リンパ節を外した時に腫大したリンパ節の蛍光を観察すると、転移か炎症性の腫大かの判断はできる。また単発の腫大したリンパ節生検時も本法は有用かもしれない。しかし、リンパ節への微小浸潤は、検出不能であろう。また正常皮膚においても、皮脂腺・毛包にALAによるPp?の発現が多い。さらに、ALAの外用は、正常皮膚にもPp?を発現させるので、この施術の有効性を現すには光学的な装置の発展を待たねばならないかもしれないし、ALAの腫瘍親和性のみを生かし、ALAとのcomplexを作成し、別な検出方法を模索する動きもある。

    悪性黒色腫は、in vivo、in vitroともにPp?の蓄積はみられるにもかかわらず、すくなくとも臨床における治療効果は無色素性悪性黒色腫も含め全くといっていいほどない。そしてその理由は不明である。また血管内皮細胞、線維芽細胞は、in vivoにおいてALAの取り込み自体がほとんどない。この点でALA-PDTは、新生血管や腫瘍血管の治療にも利用されるポルフィリンあるいはクロリン環の光感受性物質のPDTと大きく異なる。ちなみに著者らは悪性線維性組織球腫、隆起性皮膚線維肉腫、血管肉腫の臨床例において肉眼的にも顕微鏡的にも全くPp?の蛍光を認めなかった。一方、リンパ球、組織球はALAの取り込みおよびPp?の蛍光発色が認められる。後述する尋常性乾癬など炎症性皮膚疾患へのALA-PDTの作用はこれらの細胞に対するものと言われている。そして皮膚リンフォーマおよび菌状息肉症はALA-PDTのよい適応となっている35)。なお眼瞼黄色腫では一度のALA-PDTで若干の縮小をみた。残念ながら二度目以降の施術をおこなっていない(70%グリコール酸で容易に消退させることができる)。

  • 9.フォトダイナミックセラピーに関する論文 (4)

    [4]非腫瘍性皮膚疾患への応用

    ALA-PDTにおける腫瘍の選択性は、外用塗布すると腫瘍上の角質は病的なため正常と比べ、ALAがよく浸透するためと説明されていた。さらにその後、腫瘍細胞内のフェロキラターゼが枯渇しやすいという説もあらわれたが、現在でも明らかになっていない。

    一方、腫瘍にALAを塗布した時、これに隣接して存在していた尋常性乾癬病巣に、強いPp?の蛍光が観察されて以来、尋常性乾癬36)をはじめとする多くの非腫瘍性皮膚疾患にALA-PDTが試されている。
    非腫瘍性疾患に対するALA-PDTの作用は、単核球の機能抑制作用とALAに親和性を持つ組織の障害作用に分けられる。前者の作用が大きいと思われる疾患は、尋常性乾癬であるが、著者らの経験では、PUVAよりも治療効果が弱いように感じられた。他にDarier病の治療例の報告がある。なおアトピー性皮膚炎に塗布すると非常に強い蛍光を観察することができる。慢性湿疹およびこれに類した疾患は治療効果が期待できるかもしれない。

    正常皮膚組織では、ALAの外用塗布をすると、皮脂腺、毛包、中層までの深さの表皮の順に、親和性がある37)。そして体重当たり10mgのALAを内服すると皮脂腺、毛包の順に蛍光の強さがあり、表皮には蛍光はみられない。体重当たり20mgのALAを内服すると表皮も蛍光を発するようになる。従って、表皮中層以上をresurfacingすることで、脂漏性角化症、表皮母斑、伝染性軟属腫、尖圭コンジローマ、真菌症、尋常性疣贅、疣贅状表皮発育異常症などの治療効果が期待できる。しかし著者らの経験では、3例の足底モザイク型尋常性疣贅で、効果を認めなかった。なお外用塗布によるALA-PDTは、治療後色素沈着を認めることがある。皮脂腺・毛包をターゲットとした試みとしては、脱毛38)、脂腺母斑39)、尋常性ざ瘡40)41)などである。このうち脱毛は、有効性が少ないことが明らかになっている。脂腺母斑の成功例は、13回のPDT施術を要している。我々の経験でも一人は6回の施術でかなり平坦になったが、もう一人は10回の施術をおこなっても顕著な改善がみられなかった。著者らの報告した尋常性ざ瘡に対する適応は、今後の発展が期待できる。1度ないし2度の施術で、多くの症例で改善をみせている。

    おわりに

    著者は初めてALA-PDTに関する論文を本邦皮膚科雑誌に投稿した時、既に欧米雑誌で多数のこのテーマの論文があったにもかかわらず、この治療は有用な施術たりえないという理由で掲載がかなわなかった。最近、本邦の各皮膚科学会で、ALA-PDTに関する報告が散見するようになったことは、非常に喜ばしいことである。一方で、本邦におけるALA-PDTはまさに今始まったばかりといってよいかもしれない。PDTはとかくknow howであるという意見42)がある。例えば、腫瘍に対しては高い光エネルギー密度とdoseを与えるし、尋常性乾癬では、弱いジュール数で、何度も施術をおこなう。また酸素の供給を要するこの施術は、1度の施術中にインターバルをとるのが良いという報告もある。

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